小春の庭仕事

観た映画、読んだ本、聴いた音楽、旅した、食べた、買った、そして、思った記録です。最近は庭仕事がメインです。

嫁入り

はい、こんにちは。

 

今日付が変わりました。明日のお肌の調子が気になる小春せんせいです。

 

4月でここでの暮らしも5年。

 

5年前感じた、驚愕と不安がだんだん薄れてきて、日常に埋没しそうに

なっています。

 

・・でも、今日は突然ですが、お嫁入りの日のことを思い出しました。

 

10数年前の4月のこと、海峡を越えて、この地に至り、

ささやかながら二人のすみかをつくり、ひっそりと善良な市民に紛れてました。

 

嫁入り数日後、夫の両親から、ご近所に挨拶をしに帰ってきてほしい

ということで、急ぎ、田舎に車を飛ばしました。

 

あたしは、向こう三軒両隣ぐらいに、お顔をみせにいけばよいものと

思いきや・・

 

 「明日の朝、7時に美容院を予約してあるから、着物をもってそこへ

  いっとくれ。」 しうとめ

 

 「え?和服着るんですか?」 あたし

 

 「いってへんだ?蔵にあんたのお母さんから送ってもらった着物

  ぎょうさんあるよって、付下げでええから、もっていって。」しうとめ

 

 「え?付下げってなんですか?」 あたし

 

 「は?しらんのけ。ええわ。もってくるさかいに。」しうとめ

 

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寝耳に水とはこのとこだ。

 

美容院にいった。昔風の釜型ドライヤーがおいてある。

 

イヤな予感・・・

 

2時間後、セットと着付けがおわった。

 

あたしの頭のなかに付け毛がたくさん入っていて

頭が倍に膨れ上がって、襟足のところに、茶色のぴろぴろした

リボンのようなものが、何本か下がっている。

 

こ、こ、これは、あたしではない。。と思っているうちに

お迎えの車がきた。

 

夫が乗っていた。まるで不思議なものをみるかのように

目を凝らしてあたしを見ていた・・

 

車を降りると、息つく暇もなく、村内放送が公民館のマイクから流れた。

 

「本日午前10時より、○○家の●●さんのお嫁さまの

 お披露目でございます。村内のみなさん、どうぞ、お宮(神社)の

 ほうにお越しください~」

 

え、それってあたしのことだよね。。

 

しうとめから、ご挨拶のセリフを習った。

 

「小春でございます。よろしゅうお願いいたします。」

 

またその時には、にっこり笑って、小さい子どもには

ポッキーを手渡すようにと。

 

慣れない和服で、大きな袋にポッキーをいれて、

あたしはお宮にたたずんだ。