はい、こんにちは。
九州の実家で酒池肉林してきた(肉林はしてない)小春せんせです。
昨日は北九州のあるホールで音楽会がありました。
あたしはその受付係りです。作り笑いしすぎて顔がこわばってます。
実は、あたくしの姪が、ヨーロッパから来た管弦楽団とバイオリンコンチェルトをしたのです。
13歳にして、お金がとれるバイオリニストに成長した姪の演奏を聴きにいくのも今回の帰省の目的でした。
4歳のころから音楽に目覚め、ピアニストである母(あたしの姉)と共に音楽の道を歩み、涙ぐましい努力の甲斐あって、おじょーさま芸におわらない音の世界をつくるに至りました。
姪のことを心配したこともありましたが、彼女が「バイオリンを弾いている時と
学校でみんなと浜崎あゆみの話してる時が一番しあわせ」と言ってるのをきいて
ほっとしました。
普通の中学生もちゃんとやれてるんだ。
演奏会が盛大な拍手で終わり、やっと、実家へ帰れました。
私は早く父の顔が見たくて、家の中を探し回ると、、、いました、いました。
ベッドの中に小さい白髪頭がみえました。
あ、眠っているようです。きっと、お客がいっぱいだったので、疲れたんでしょうね。
起こさないように、そっと近づいて、顔をみていたら、もぞもぞして眼があきました。
びっくりしてました。あたしの帰省をしらなかったか、忘れていたか、どっちかでしょうね。
「ただいま、おとうさん。」
「あぁ。。」
「今日新幹線で帰ってきたよ。」
「あぁ。。」
よかった、どうやら、あたしの顔は覚えていたようでした。
・・その夜は、父の部屋のベッドの下に、お布団をしいて、そこに寝ました。
父は、夜何度か起きて、母を呼んでいました。
あれだけ母を泣かせたのに、今では母がいないと、夜も日もあけないようです。
父が寝ていたので、本の読みきかせはできませんでしたが、
かわりに、昨日の姪の晴れ舞台のビデオを流して聴かせました。
簾ごしの柔らかい日差しが、父のベッドの足下にまで差し込んでいました。
父は気持ちよさそうにバイオリンの音色を聴いていて、そのうち、目が閉じてすっと眠りに入りました。
あたしがいなくても、癒してくれる小さい人がいると思うと、悲しくなくなり
あたしは父に、「ちょっと帰って、またくるから」といって、実家をあとにしました。