じじは以前から道の駅に特産物をだすことを生き甲斐にしていた。
じじは「大根や白菜なんかはどこにでもあるから、丹波でなければないというものを出すのだ」といって、研究して、珍しいものを作っていた。
じじは兵庫県で初めて本シメジの人工栽培に成功した人でもある。えへん。
今日も出かける前に道の駅にハタケシメジを出荷しにいった。
その時に、とてもいやな事を言われたといって、腹を立てて帰ってきた。
ハタケシメジはあまり知られていないきのこなので、ワードで作ったレシピをつけて陳列してたら、そこに出荷している仲間から「そんなものをつけるのは違反や。他の人はだれもそんなことしてへん。足並みを揃えてもらわないと困る。」と言われたのだ。
え??????いったいなんなの???ワードでレシピをつけたのがなんで悪いの?
「意味がわかりませんわ。」とあたしが言うと、じじは吐き捨てるように「田舎ちゅうのはこんなもんや。変わったことをしたら、批判されるんや。」と。
「そんなことやから、進歩せんのですわ。商売なんですからねっ。市場の競争原理ってのがあるでしょ。そうやって競うことで磨かれていくとちゃうんですか。」とあたし。
「そのとおりや。まぁ、ええわ。大根や白菜ばかりだしとったらええねん。そのうち消費者に飽きられるさかい。」とじじ。
その通りだわ。
そうやって、新しいことを受け入れず、自分らの小さい世界でだけ気遣いをする。
じじの悔しさがものすごくわかるので、一緒に腹を立ててやったさ。