15日が文化祭なので、前日、やっとこさ、美容院に行った。
いつもいっているところは隣町。車で行くと20分かかるので、今回は、職場から5分でいける美容院に行った。
前回に引き続き2回目。
そこは小さなお店で、宣伝なんかほとんどしてなくて、いつ開店したの?ってぐらい地味なお店。
職場の人から「どうしてそんな小さいとこにいくの?」と聞かれたけど、大きな理由は、そこではヘナ染めをしてくれるってことと、そこの美容師さん(30代ダンシ、男前)がとっても楽しい人だということ。
「もしもし、予約もしてないし、時間も遅いんですけど、カットしてもらえますか?」
「はーい、いいですよ。何分ぐらいでこれますか?」
「はい。お店の隣のスーパーにいますから、1分ぐらいかな。」
「はは、じゃ、一分後に」
急ぎ足でお店にはいると、その人は時計で秒を測ってるふりをしてた。
「あ、こんにちは。やっぱり、●●さんでしたか(私のこと)。3秒遅刻ですよ。わはは。」みたいな感じでお店に迎え入れてくれる。
「こないだグリーでハコニワをしてるって言ってましたよね。どうですか?進化しましたか?」とわたしのブームも覚えていてくれる。
「みせてあげようか」というと「いや、いいです。自分がやっていたら、面白いけど、やってないからわからないし。ほら、よくいるでしょう。自分ちのペットの写真とか見せて、可愛くなったでしょー。とかいう人。僕はその子をみてないからわからないちゅーんだ。」みたいな感じ。笑
そんな感じでカットしてる時間より話をしている時間のほうが長くて。
1時間半ぐらい話してげらげら笑って、最後に読書の話になった。
その人は、学生時代に勉強はきらいで全然やってなかったというけど、読書傾向を聞いたらなかなかのもんで。
お店の暇なときに本を読んでるってことだったので、見せて、というと、どさっと30冊ぐらい文庫本を出してきた。
いやー、びっくり。読書傾向が私に似てる。
その中で一冊目を引いた本があって、それは、山本一力だった。(あかね雲で直木賞をとったよね)
時代小説っていうのをあんまり読まないので、ちょっと興味がでて、それを手にとって見ていたら「貸してあげますよ」と言ってくれた。
わぉ、美容院で本を貸してくれるなんて素敵じゃない、と思ってありがたく借りて帰った。
今は、その本を読んでいるが、自分で買った本と違って、人から借りた本っていうのは、なんか値打ちがあるような気がする。
その人が大事にしているものだし、その人が読んでいるときにどういう風に感じたんだろう、なんてことも考えることができる。
もしかして感動する場面があったりすると、感動も共有できるわけだし。
うーん、warabiちゃんが日記で書いていたけど、これも愛の形なんだろうね。
私はリアルな客であるけど、私のことを何もしらないまま、自分の本を貸す。
私は私で、お兄さんの氏素性もしらないけど、本を借りる。
これは日常の中の非日常だよなー、と思いながら、夜、枕元にスタンドを灯して、時代小説を読むわたくしであった。