朝9時、「今日帰るから」と弟くんが突然メールしてきた。
去年の今日、中学、高校と一緒だった友達が突然、交通事故で亡くなった。
ずっと前に、「一周忌というのは普通は行くもんなんか?」と聞いてきたので「それは気持ちや。だけど、行ったら親御さんは喜ぶだろうな。」というと「そうか、ちょっと考えてみる」と言っていた。
そして、「オレの誕生日の近くで、亡くなった人がふたりもいる。だから誕生日が来るたびに辛くなるわ。」と言っていた。
今日は、私の父の命日でもある。
彼は中学生だったが、身近な人の死を経験したのは初めてだった。
出棺の時の、彼の涙でくしゃくしゃになった顔が今でも目に浮かんでくる。
彼は心から悲しいとき、眉毛を下げて泣く。
今日は、私は会議が長引いて、駅まで迎えにいけず、弟くんは親友のYちゃんに迎えに来てもらって、その足で一周忌に行っている。
どんな顔をして帰ってくるんだろう、と思いながら私は、学期末の成績処理をしているわけなんだが。
しかし、忙しいといいながら、友達の一周忌に帰ってくるって、結構律儀なやつだ、と感心した。
私は私で、父の遺影の周りを綺麗に片付け、とっておきのお酒を供えた。
「とうさん。○○が帰ってくるよ。二十歳になったよ」と報告をして。