はい。こんにちは。
今日は昼に一コマだけ仕事だったので、朝と夕方、桜子と歩いた。
最近は歩けば歩くほど、健康になっていく気がしていて、許されるものなら一日中歩いていたい気分。
本当は家にいたくない気分なのかも。
なんとなくテレビをつけていると、札幌の男が少女を監禁していただの、警官が襲われて銃を奪われただのと、気分の悪いニュースばかりが目に飛び込んでくる。
そういうニュースにだんだん驚かなくなって来てる自分もいやだし。
外に出れば、そんないやな事件から少しの間でも逃避することができるもんなぁ。
あまりに途方もない事件ばかりがあるので、どこかで考えることにブレーキをかけているのかもしれん。考えれば考えるほど、救われない気持ちになってしまうもんなぁ。
・・・夕方の散歩の時、そう、4時半という中途半端な時間だった。
いつものコースから外れて今日はふと隣村まで歩いてみようと思った。
バス道から逸れて、小川が流れる小道を歩いていった。
大きなミラーがあって、その左側に、お稲荷さんが祭ってあった。
その朱色が田舎の風景になんとなくそぐわない気がして通り過ぎようとした時、ふとお稲荷さんの向こうに集落があることに気づいた。
なんともなつかしい風景があった。もしかしたら、これは昔映画で見た風景だったかも。
一言で言えば「戦前の田舎の風景」という感じ。
日が少し落ちてきて、風がややひんやりと吹き抜けた。竹やぶが鳴った。
遠くの畑に人の姿が見えた。
白い開襟シャツ(という言い方がぴったりの)を着た若い男の人が、手を額にかざして空を見上げた。遠くにいるその人の顔などわかるはずもないのに、とてもなつかしい感じがした。じっと見たら悪いと思いながらも、だれだか思い出したくて、じっと眺めていた。
するとその人はわたしに気づいたのか、小さく会釈した。
近くまで言って話しかけようと思ったが、知らない人だったら恥ずかしいので、来た道を帰ろうとした。二三歩あるいて、振り返ろうとして、ふと思った。
もしかしたら、その集落は幻だったんじゃないかと。
振り返るのが少し怖いような気がしたが、ちょっと振り返ってみると、集落はちゃんとあった。だが、畑にはその人はもういなかった。
なんとなくお稲荷さんの入り口から先は、別世界だという気がした。
あたしが現実逃避したいからそう感じたのか。。。いや、もしかしたら、あそこは本当に別世界なのかも。
明日も行ってみたいと思うのだが、お稲荷さんから先に進む勇気はまだないなぁ。。