はい、こんにちは。
新学期が始まって3週間が過ぎようとしている。
昨年に引き続き今年も、全く経験のない分野に足を踏み入れようとしている。
知的障害児を預かる養護学校の教師として、ごくせん風のジャージの上下で走り回っている自分の姿など、1年前は想像もしていなかった。
去年は、職員室でパソコンに向かってばかりの仕事だったのに、今年は、給食とトイレの時ぐらいしか、座る暇がない。いや、トイレに行く暇もないことがある。
こどもといっしょに大声で歌い、踊り、追いかけて走り、だっこし、たまに廊下を引きずる。全身の筋肉が久々にきしむ音が聞こえるようだ。
今までの学校勤めといえば、始業の鐘がなると出席簿を持って職員室を同僚と歓談しながら出て、エレベーターに乗り、教室にはいって、「さぁ、はじめましょ。」なんてにこやかに微笑みながら、ゆっくり板書して、スマートに授業をしていた。
大学で習ったこともそこそこ役にたち、あ〜、やはり勉強していてよかった、なんてにんまりしていたんだが。。
今回ばかりは、そんなあまっちょろい経験だの勉強だのは、まったく役にたたん。
まさに一時も気の抜く暇のない緊迫した時間の連続である。
1分、とか、30秒とかの気のゆるみが、障害のあるこどもを危険な状況に陥らせてしまうことを始めて知った。
こどもの命を預かる仕事を与えられて、気が重くないといえばうそになる。
しかし、それ以上に、せっかく生を受けた命を、少しでも元気な状態で永らえさせてあげたいという気持ちのほうが強い。
今日は「いや」といえた。次の日は「いい」といえた。また次の日には「トイレで用がたせた」。その次の日には「給食が全部食べられた。」そしてまた次の日には。。。
一日一日、少しずつだが、出来ることを増やす。
でもあせらず、ゆっくりだな。
彼女の中の時計を出来る限り尊重して。。