最近はむすこっち達と将来の話をすることが多い。
小さい頃は元気で人に優しく出来ればスポーツできる子になって欲しいと思った。
弟くんと車に乗っていていろんな話をする。
彼はオーストラリアに行ってから、自分の将来についてかなり具体的なビジョンを持っている。
ある日、車に乗っていて、工事現場で旗振りをしている人を見かけた。
「寒いのに毎日大変だ。あの人はほとんど毎日一日中あそこに立って滅多に車の通らない場所なのに旗振りをしている。」とあたしが言うと弟くんが「そういう人も社会には必要だ。かーさんが大変だと思うほどあの人は思ってないよ。きっと自分の仕事に誇りをもっているよ。」と言った。
うーん、以前の彼ならそういう風には言わなかっただろうなぁ。
子供には出来れば楽に人生を送って欲しいと思う。
暖かい家庭を築いて、穏やかに少しだけ裕福に過ごして欲しいと思う。
そして出来れば、自分の特性を生かしてどんな形でも世の中に役に立つ人間になって欲しいと思う。
今日の朝、いつものように弟くんとニュースを見ていた。
津波による被害で日本からも医師団が派遣されていて、その人たちが今日はもう帰国するというニュースであった。
「もう帰るんや。まだまだ医者はいるやろうに。」と彼。
「そうだね、でもきっと日本でもあの人たちを必要としている人はいるんだろうから仕方ないよね。」あたし。
「そうなんや。。。。」彼
「キミもせっかく語学を身につけてきたんやから、なんか世界で困っている人の役に立つ仕事につけたらいいね。」あたし
「そやな。やってみたいことの一つやな。」彼
日本の現在の高校の詰め込み勉強がいやだ、とか、意味がないとかほざいて、留学前は、「学校なんかやめたる。」と言っていたのに、今はやはり日本でちゃんと勉強してそれを将来に繋げたいと思っているみたいだ。
「大学で勉強することは、単なる手段や。どこへ行っても似たり寄ったりやろうから、一番自分の夢の実現に役に立つところに行く」と割り切っている。
あたしは、それはそれで良いと思っている。
兄くんはやはり地元に帰ってきて地元で就職したいと言っている。
彼はじじの跡を継いで、農業、林業と仕事を両立させたいという。
あたしは、野山のしんどい仕事をいやいやながらでも続けていくという彼を気の毒だと思う。やはり長男としての自分の宿命なんかを感じているのかも知れない。
でも、これもあたしの思い違いだろうなぁ。
きっとあたしが思うほど彼はいやがってないのかもしれないなぁ。
しかし、国際貢献でもいい、農林業でもいい。
二人が夢を少しずつでも形にするために頑張っているわけだから。
二人が思うような仕事につけて、それが少しでも、世の中のためになるのだったら。
テレビ見て「世の中、いやなニュースばっかりだ。」と彼が言う。
「そんな世の中を変えていくのがキミたちでしょ。」というと、「オレにどれだけやれるかわからんけどな、ま、がんばるわな。」と彼。
◆◆◆
二人を手放して、親ってもうあまり出来ることないなぁと感じている。
それで良いと思っている。
ただ、頼ってきたら、支えてあげようとは思う。
この1年で二人が変わったこと。
素直に「感謝してんで〜。」と言えるようになったこと。
いや、別に言葉にしてもらわなくてもいいんだけどね。笑