朝から、文集「家族の肖像」を読み返してみる。
今日は父の命日だ。
一年目も、二年目も、読みながら涙がでてしょうがなかったが、三年目の今日、やっと泣かずに読めた。
実家では、のぞみのバイオリンのコンクールが昨日博多であっていて、惜しくも全国二位だったらしい。
母は、そのことで気が紛れているのか、寂しそうな様子は見せなかった。
「三年たったね。月日の流れはありがたいね。。昔は良いことばっかり思い出していたのに、このごろはおとうさんに苦労かけられたことなんかも思い出したり。」と笑う母。
「それでいいんよ、おかあさん」とあたしも笑う。
父のいた家で浪人して頑張ってる兄くんとか、帰ってきてちょっとばかし大人になった弟くんとか、見せたかったなぁ。
もうちょっと頑張ってくれていたらなぁ。。
仕方ない、仕方ない。あたしもいい加減諦めよう。笑
窓から見える丹波の山々は、あの時と同じように錦の絨毯のようだ。
紅葉が来るたびに、思い返すあの日々。
「千秋」というペンネームであった父は、きっと幾千、幾万の幸せな秋を過ごして、一番好きな晩秋に逝ったんだろうな。
さて、とうさん、また一年頑張るよ。